窓使いの憂鬱(のどか)の設定ファイルを公開した
https://github.com/awq/mayu
dot.mayuを指定する。
RSウイルス感染症
冬の乳幼児の肺炎はRSウイルスに引き起こされたものが多い。
迅速検査キットにBD社のRSV エグザマンがある。
RSウイルスは、主に乳幼児に重篤な細気管支炎、肺炎などの感染症を引き起こす原因となり、インフルエンザと並び、冬季に流行する代表的な呼吸器感染症のひとつです※1.。また、伝染力が大変強くRSウイルスの飛沫粒子が患者の衣類などに残存し、それに接触した手指で口や鼻を触ることで感染する接触感染にも注意が必要といわれます。
乳幼児では生後1年間に約70%の乳児が感染し、その30%が細気管支炎、肺炎などを引き起こすとされ、乳幼児の突然死症候群の原因のひとつとも考えられています。特に早産児や慢性呼吸器疾患を有する乳幼児で重症化する危険性が高く、院内での感染対策として早期診断と適切な感染管理が重要となります※2,3。
また、RSウイルスは何度でも感染し、成人の場合は頑固な咳や鼻水を伴う急性上気道炎になるケースがほとんどですが、免疫不全患者や免疫力の低下した高齢者では下気道疾患が重篤化する場合もあります※4。※1. CDC.1999.Update:respiratory syncytial virus activity-United States,1998-1999 season. Morbid. Mortal. Weekly Rep. 48: 1104-1115
http://www.bdj.co.jp/press/20050930.html
※2, Falsey, A. R. and E. E. Walsh. 2000. Respiratory syncytial virus infection in adults. Clin. Microbiol. Rev. 13: 371-384
※3 Englund. J. A., P. .A. Peidra, A. Jewell, K. Patel, B. B. Baxter and E. Whimbey. 1996. Rapid diagnosis of respiratory syncytial virus infections in immunocompromised adults. J. Clin. Microbiol. 34: 1649-1653
※4 Crowcroft, N. S., F. Cutts and M. C. Zambon. 1999. Respiratory syncytial virus: an underestimated cause of respiratory infection,with prospects for a vaccine. Commun Dis Public Health.. 2: 234-241
抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体にPalivizumab(シナジス®)がある。
なお、予防接種(ワクチン)ではありませんが、抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体のパリビズマブ(遺伝子組み換え)という注射薬が、アメリカ合衆国では1998年から、日本では2002年から、承認・市販されています(商品名:シナジス)。在胎期間28週以下の早産で12ヶ月齢以下の新生児・乳児、在胎期間29-35週の早産で6ヶ月齢以下の新生児・乳児、および、過去6ヶ月以内に気管支肺異形成症(BPD:broncho-pulmonary dysplasia)の治療を受けた24ヶ月齢以下の新生児・乳児・幼児に対して、RSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症抑制のために用いられることがあります。用法としては、RSウイルス流行期を通して月1回のペースで筋肉注射します。なお、2005年10月に効能・効果が追加され、24ヶ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児・乳児・幼児に対しても、RSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症抑制のために用いられるようになりました。
約千五百人の乳幼児においての'IMpact-RSV'スタディと呼ばれる研究では、RSウイルス感染による入院が、プラセボ(偽薬)投与群で10.6%だったのに対し、パリビズマブ投与群では4.8%と低かったです(p<0.001、参考文献1)。なお、パリビズマブはRSウイルスに対してのみの抗体であるため、RSウイルスに対してではない通常の予防接種ワクチンによる免疫の獲得をパリビズマブは妨げないと考えられます。
パリビズマブ(Palivizumab:商品名シナジス)の開発については、Mab 1129と呼ばれる、ネズミの抗RSウイルスモノクローナル抗体がまず開発されました。ネズミの抗体は、ヒトにとって異種の蛋白質です。そのままヒトに用いると抗ネズミ抗体を産生させアレルギーを生じる恐れがあります。それを避けるため、ヒトのIgG抗体の抗原との結合部分に、ネズミの抗RSウイルスモノクローナル抗体のRSウイルスとの結合部分を置き換えることにより、抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体のパリビズマブ(Palivizumab:商品名シナジス)が出来上がりました。パリビズマブ(Palivizumab:商品名シナジス)の開発は、遺伝子組み換え技術の進歩により可能となったことです。
http://www.city.yokohama.jp/me/kenkou/eiken/idsc/disease/rsv1.html
* シナジスの接種適応は以下の通りです。(初診時に前医からの紹介状をお持ちください)
http://www.rsvirusinfection.com/category5/entry10.html
Japanese insurance available for Synagis injection - see below -
(please bring your referral form from previous Dr)
在胎28週以下で出生:RSウイルス流行開始時に生後12ヵ月以下(昨年の9-10月生まれ以後)
for children born less than GA 29 weeks - includes those less than 1 year old
在胎29-35週で出生:RSウイルス流行開始時に生後6ヵ月以下(今年の3-4月生まれ以後)
for children born from GA 29 to 35 weeks - includes those less than 6 months old
過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けたことがある:
RSウイルス流行開始時に生後24ヵ月以下(一昨年の9-10月生まれ以後)
for children within 6 months of receiving BPD - (bronchopulmonary dysplasia) treatment:
includes those less than 2 years old
血行動態に異常のある先天性心疾患がある:
RSウイルス流行開始時に生後24ヵ月以下(一昨年の9-10月生まれ以後)
for children with congenital heart disease: includes those less than 2 years old
シナジス®の薬価は50mg(溶解液付)瓶76987円と高額である。
RSウイルス感染症の治療には酸素マスクや加湿器を用いる。